2013年4月12日

鉄の魔道僧 


鉄の魔道僧 1巻
 ラノベ卒業者のためのファンタジーという路線をハヤカワFTがとっているというのはどこかで書きましたが、その路線の延長線でチョイスされたシリーズ......なのかな? ラノベというか平井一正の狼男シリーズっぽい、一人称のハードボイルドです。舞台は、各種神話の神々が世界のあちこちに潜伏している現代。女神転生シリーズのように、社会の裏側に魔術師やら超人がいるわけですが、主人公は魔剣使いのドルイドで、大地から力を集め、防御魔法や回復魔法に秀でているという設定。相棒は美女ではなく、ただの犬。ドルイドの魔法でテレパシー会話ができるだけですが、これがまたかわいい犬で、「オレはしる!はしる!クビいたい!」的な会話を主人公と延々繰り広げます。たぶん主人公といちばん会話しているのがこの犬。殺伐とした殺し合いも、この犬との脳天気な会話で癒されます。犬好きは必見、というか、かわいいもの好きなら必見かな。

大東亜の矛 2巻
 異世界からきた倭国と名乗る日本人。彼らは未来技術を持っており、太平洋戦争時の日本を手助けすると申し出る。しかし、彼らは彼らで問題を抱えており......というあらすじの2巻目。昭和の特撮のオマージュ的な道具立てが楽しいシリーズですが、今回はラドンという名前のステルス戦闘機がでてきます。太平洋戦争中ですが、倭国の超技術の前にアメリカは無意味に戦力を消耗して、相手にならず、日本と倭国はアメリカそっちのけで諜報戦を繰り広げます。架空戦記というよりファーストコンタクト的な方向に傾いているシリーズですが、日本人同士のファーストコンタクトという、ちょっと珍しい情景が見所かな。

興国の盾1945 3巻
 日本は米英と休戦ないし停戦交渉中で、太平洋は一時の平和を享受していますが、欧州方面は独ソのあいだで戦争が継続。なんとしても極東をまきこみたいソビエトは、ドイツ軍捕虜で編成したドイツ義勇師団を満州侵攻用に編成。海では、ソビエトが抑留したアメリカ戦艦を使って、アッツ島への砲艦外交を仕掛けます。なかなか普通の架空戦記ではありえない道具立てが素敵ですが、アメリカ戦艦の攻略法にアレを持ってくるのがまた渋い......。架空戦記で空挺○○が活躍しているのなんて久々に読んだ。