2012年6月25日

ベルディード・ストリート・ステーション 


ベルディード・ストリート・ステーション 上下巻
 ハヤカワの新刊。歯車で動くコンピュータと蒸気エンジンがうなりをあげ、気球が空をかけ抜けるといえばスチームパンクSFの道具立てですが、この本ではさらに魔法や悪魔が幅をきかせており、どちらかといえばSFではなくファンタジーよりな世界観です。しかし、主人公のアイザックは科学者で、しかも統一理論の研究者。統一理論といえば、超ヒモ理論とか宇宙の万物を説明する究極の科学が思い浮かぶのですが、この世界では科学的以外に魔法や邪法も同居しているので、科学+魔法+邪法を統一する理論ということになり、超ヒモ理論よりさらに楽しい統一理論が誕生します。SF的な見所はそこだけですが、読んでいて思ったのが、TRPGのサプリメントのシナリオっぽいな、ということ。そう思うと、各キャラの描写もTRPGのリプレイに似ています。例によって序盤は展開が重く、読みにくいのですがかなりこなれている翻訳とあいまって、序盤が終わると軽快に話がすすみます。TRPG好きな人におすすめ。

いばらの秘剣 1巻
 ハヤカワの新刊。ベルガリアードのようなファンタジーシリーズというネットの書評を読んで購入しましたが、たしかにそういうテイストが混じっています。というかこれ、ベルガリとほぼ同じ年代の作品で、時代的に描写にゲームっぽいところがまるでないところからみても、古き良き時代のファンタジーですね。ただ、これは翻訳が下手なのか、原文が悪いのかわかりませんが、描写が必要以上にねちっこいので読むとちょっと疲れます。さて、あらすじですが、大陸を支配した偉大な老王のお城に住むメイドさんに育てられている子供が主人公。空想癖のある少年で、なにをやってもドジばかり。それなのにこの国でも指折りの魔法使いに弟子入りが許され......という王道な展開のファンタジーです。1巻は導入編で、いろんなキャラが顔見せする巻であわただしい。2巻以降もポンポンと出るようなので、面白いかどうかはそれを待ってから判断します。1巻時点では描写のねちっこさも含めて微妙という評価です。