2012年3月 2日

エラスムスの迷宮


エラスムスの迷宮
 ハヤカワの新刊。けっこう厚いけれど、サクサクと読めます。
 前に、アシモフのロボットシリーズについて、ロボットの設定はアメリカの奴隷制度のメタファーであり、アメリカではおおっぴらに話題にできないテーマをSFとして発表することがあるという話をしましたが、この本もそんな伝統に基づいたSF。いまアメリカでおおっぴらににできないけれど、みんなが興味がある話題は中東で行っているアメリカの対テロ戦争をどう捉えるのか、という話。人道主義で捉えるのか、アメリカ最強主義で捉えるのか、まあ大別するとこの2つになるのですが、この両者の立場で議論をしても収拾がつきません。だからSFという形に仮託して語りたいという作家側の欲求があるのでしょう。
 著者は過去に「大いなる復活のとき」というSFを書いていて、実績のある人なんですが、別名義の新人としてこの本を発行。ところがP・K・ディック賞に受賞してしまったので、仮名義だったことを発表。本人は久しぶりにSFを書いたから名義を変えたとか、いろいろいっていますが要するにネタがやばいので別名義だったのかなと私は推測しています。そのあたりアメリカの言論もいろいろと問題がありますが、見て見ぬ振りが常態化した日本の言論よりはマシなのかなと。

 さて、話を戻しましょう。この本ですが、不死と繁栄を実現した地球圏と、地球圏から遠く離れた奴隷制度のある貧乏な植民星系という設定のスペオペです。まあ、アメリカと中東の関係をそのまま宇宙に置き換えただけですが、地球圏は地球圏へのテロを防止するために、貧乏な植民星系に「守護官」という名の軍事外交官を派遣します。守護官は地球圏へのテロ防止のために絶大な権力を持つものの、戦争防止のために、こちらから戦争をふっかけることを禁止されています。平和憲法に縛られているようなものですが、かわりに守護官は戦争をふっかけられたときには強烈に逆襲することを許されています。よって、地球圏に対して悪意を持つ植民星系側は守護官を出し抜くために、戦争状態にあるとみなされない程度の挑発を繰り返します。時には守護官が「事故」で殉職したりしますが、主人公の命の恩人もそんな「事故」に遭遇。引退していた主人公が恩人の死の真相究明のために現役復帰するというあらすじ。

 SFとしてはインプラントやら不死技術やら、小道具がそれなりに揃っていますが、アメリカと中東というメタファーを破壊するわけにはいかないため、あまりSFっぽくはないのですが、その小道具を利用した謎解きミステリがそこそこ面白く、小説としてはそこが核になっています。
 設定的には「守護官」制度が目玉ですが、あれこれ考えてみると、人道主義をベースにしたアメリカ最強主義を体現したのが「守護官」という制度のようです。要するに、平和的なジェームズ・ボンドを量産すれば、国をあげて戦争することもないし、どちらの国民もハッピーになるというのが著者の主張。それが支持されて賞を受賞したということを考えると、アメリカ人の考える現実主義が見えてくるような気がします。それに敵役の植民星系を牛耳るエラスムス一族が独自の思想を持たず、地球圏と同じ思想(利や欲)で動いているので、異文化との接触という面が非常に弱くなってしまっています。これはそのままイスラムを異文化と考えないアメリカの姿勢につながっているように思えます。互いに相手の思想を尊重しない姿勢がアメリカと中東の摩擦の原因なんですけどねえ......。
 そんなわけでアメリカのいまを切り取る小説としては面白いけれど、SFとしては佳作。

コメント(14)

アメリカ最強主義ってなんでしょうか?
ググっても出て来ません。

>人道主義で捉えるのか、アメリカ最強主義で捉えるのか、まあ大別する
>とこの2つになる
おやっと思いました。人道主義はわかるとして、「アメリカ最強主義」って
何に基づいているのだろう? 宗教か、経済か。そしたら…

>人道主義をベースにしたアメリカ最強主義を体現した
ここでは人道主義とアメリカ最強主義が並列になってる。

こういう論評の粗さを指摘しても、「瑣末な指摘だ、挙げ足だ、上から目線の
変な奴からのコメントだ」として自己を省みることはない。こういう論客多いなぁ。
だからインターネットはゴミ情報が多いと言われるんだ。やれやれ。

さて、どうぞこのコメントも削除ください。そこが貴殿の「甘い」ところです。

そう、その一見相反する人道主義とアメリカ最強主義を両立させようとする『平和的なジェームズ・ボンド』という表現で提督氏は疑問を投げかけているんですよ。
そこを読み取らない老人バンザイさんのアタマが粗いんだなあ。下らない指摘に満足して自己を省みることはない。こういう老人多いのかなぁ。やれやれ。

>督氏は疑問を投げかけているんですよ。

だとしたら投げ方型を考えるんですね。

書きかけで送ってしまいました。失礼。

>提督氏は疑問を投げかけているんですよ。
だとしたら投げかけ方を考えるんですね。

あとハンドル名だけから、私を老人だとか、若者を馬鹿にしているだとか
思い込まないことです。ハンドル名の経緯は、提督氏がご存知でしょう。

提督さんに構って欲しいのは判るんですが見苦しいんですよ。私はアナタが老人か幼児かは知る故もないし知りたくもありません。
ハンドルネームが幼児バンザイなら、こういう幼児が多いんでちゅかねえ。やれやれ、と書くだけです。

アナタがやってることは、プールに行って
オレが泳げないのはプールの所為だ、って言ってることと同じなんですよ。

そういうイタいことをやっていて自分で判らないのが哀れですよねえ。

死ねばいいのに。

一ついいことを教えてあげましょう、ののさん。
あなたが余分な書き込みをしたために、私のコメントも含め、提督氏は
これらのコメントを削除できなくなりました。

かまってほしいことなど、ひとつもありません。提督氏は「消さない」と宣って
ますが、私のコメントはすでにいくつも消されています。私のコメントはもはや
単に提督氏へのメッセージだったのですが、あなたはそれを消せなくしたのです。

ところでののさん、あなたは聡明そうですので、答えてくれそうですね。
アメリカ最強主義ってなんのでしょうね?

一ついいことを教えてあげましょう、老人バンザイさん。
ワタシの余分な書き込みは、実はあなたへのヒントだったのですよ。
あなたの頓珍漢な言いがかりを真っ当な議論に導かせることができる示唆を含んでいたんですが、残念ながらわからなかったようですね。
コメントを消す消さないなど、どうでもいいことです。
ところで老人バンザイさん、あなたは自らの愚かさを暴露してしまったので最早相手にすることはありませんが、
あなたの求める答えは、お互いのやり取りの中にあるんですよね。

最後に発言したのが自分だから勝った、と自己満足したいなら、せめてその答えを見つけて書き込んでくださいな。

まだまだ寒いので風邪など引かぬよう気をつけてくださいね♪


そうそう提督さん、この不毛なやりとりは一両日中にサクッと削除してください。

最近の老人バンザイさんのコメントを消している理由について誤解があるようなので、書きます。

あなたのコメントを消さなかったのは、あなたがどれだけ異常かのデータをとるために消さなかっただけです。
最近のコメントを消しているのは、あなたがどれだけ異常かについてのデータを取り終わったからです。
「死ねばいいのに」でそのように書きましたが、伝わっていなかったのでしょうか?
もちろん、自己中心主義のあなたには、管理人としての私の考えは理解できないのでしょう。しかし、あなたのカキコミは読者を不快にさせるので、管理人としては消去するのが義務と考えています。

このカキコミも、データになりそうなので当面は消去しません。


>ののさんへ
私はしばらく前から、彼への対処を変えました。
電車のなかでブツブツ呟いている人にまじめに注意するのは間違った対処だからです。
彼は理性がないから、ブツブツ呟いているのであって、叱ったところでなぜ叱られたのか理解できるわけもありません。ここでも、ののさんに論破されていますが、それを認めようとしないのは、頭が悪いか、意地が悪いかのどちらかでしょう。
仮に頭が悪いのだとすれば、そういう人への対処は「かわいそうね」と見守ることですから、あまりかまわないであげてください。

まずののさんに返事をしなかったのは、あまりにくだらない返しだったから
です。もう少し、気の利いた返事をしてほしいものです。

>あなたのコメントを消さなかったのは、あなたがどれだけ異常かのデータ
>をとるために消さなかっただけです。
何度も言いますが、どんどん消してください。
少しも気にかけません。ただ、その事実が残るだけです。
たとえば、私の最初の指摘について結局何も答えられていませんね?
まあ議論の仕方をご存じない事は残念なことです。

いまごろ、どのようにして客観的に私が異常だと示すか、心理学の勉強
でも一生懸命されているのでしょうね。そしていつもの記事と同じく独善的
な評論に対して、取り巻きのコメンテータがちやほやとサポートしてくれる
のでしょう。
まるであなたのお嫌いな、どこかの政治家みたいですね(笑)

提督氏のコメントに重要な愚行を見つけてしまいました。
私からのコメントからデータとやらを取り終わったら、そのコメントを一生懸命
消されているようですが、それだと私のコメントであるという証拠は残りません。
(私自身すら、自分のコメント内容を追えません)
なので、すでに私に対する客観的批評になりえないことだけお伝え申し上げます。

調べてみると、まだ少しは消さずに残されているようですね。ただそれのみ
をもちいた論評はすでに意図的なフィルター操作といえます。
お疲れ様です。ご自身の論者としての甘さを噛み締めることですね。

おつかれ。

物を知らないのにもほどがある。アホらしい。

>物を知らないのにもほどがある。アホらしい。

それはこっちのセリフ(笑)

私が笑ったのは、あなたがブログの管理システムをまったく知らないからですよ。
すこし調べてみればわかるのに、証拠云々とか勘違いしているし、素人まるだしすぎて失笑しました。

知らないなら黙っていればいいのに。

>ブログの管理システムをまったく知らないからですよ。
なるほどMovable Typeだとコメント非公開機能があるのですね。
私のブログにはその機能はなかった。思い込みは反省せねばなりません。
それでもコメントを非公開にしたままで、そのコメントを貴殿の批評の基に
するのであれば、おかしな話です。
いずれにせよ、客観的批評なるものを楽しみにしています。
いや、楽しみにすることもないか。
この記事だってまともな批評になってないしね。