2012年2月28日

楊令伝


楊令伝 9巻
 水滸伝中盤からラスボスとして君臨してきた童貫との最終決戦。死力を尽くして勝利をもぎとりにいった梁山泊に対し、童貫は勝利よりも自分の納得のできる死に場所を求めて戦ったように見えます。ラスボスが最後はラスボスであることを放棄したということなのでしょうか。そのおかげで、決着がついているのにどこか肩すかしをくったような読後感。童貫としても、なりふりかまわず勝利をもぎとりにいく状況ではないのですが、せめて岳飛からみて童貫が老いたという描写でもあれば、戦争に疲れたんだなと思えなくもないのですが......。

碧海の玉座 10巻
 完結。太平洋で勃発した日英同盟対米国の艦隊決戦。ついに、大和級vs超モンタナ(ケンタッキー)級に代表される日英米の両軍合わせて20隻になる戦艦艦隊の、容赦ない殴り合いがこの巻の見所です。描写も頑張っているのだけれど、予定調和で沈んでいるなというのが見え隠れ。この海戦の前段になるグアム航空基地無力化作戦が面白いだけに、海戦がチョット物足りないのが目立ちました。全体的に、もうちょっと時間をかけて設定やプロットを練ればいい作品になっただろうにという感じ。ドラマも薄かったですしねえ。兵器類ももう少し頑張ると、印象に残るものになるのに、ちょっともったいない。

烈火戦線 2巻
 独ソ戦がずれ込み、シベリア鉄道を使ったドイツと日本の軍事交流が延びていたらという架空戦記。互いの技術により、ドイツも日本も少なからず戦争遂行能力が底上げされ、それが戦局に微妙な影響を与えていきます。しかし、技術はあっても運用技術がないため、実戦の中で運用技術を手探りで探していくのがこのシリーズの勘所。そのへんを楽しめるなら、このシリーズはおすすめです。2巻では南方戦線とミッドウェー戦で、日米ともにグダグダな戦争指揮ですが、先に戦訓を吸い上げたほうが有利になっていくのでしょう。

コメント(2)

童貫については、お湯とかお茶飲むようになっただけで、岳飛にとって
偉大であり続けましたね。
その化け物を喰った楊令が、いよいよ真のラスボスに昇格するための
儀式であるかのような。

ただ、勤王思想の面では、童貫はもう末期的でしたね。

真のラスボスになった楊令がはじめたのが、民主主義っぽい政治ってのが、なんというかガックリな気分なんだよねえ。

飛躍しすぎ。