2011年2月25日

極東大戦


極東大戦 2巻
 完結。日米が原爆戦争をはじめ、第2次世界大戦が停戦した世界。この世界でも日本は大陸から追い出されていますが、韓国だけは勢力下においています。その韓国でも独立運動が高まり、日本は平和理に撤退をはじめます。その時期を狙って、北朝鮮が韓国に進撃を開始し、韓国軍はろくな抵抗もできず釜山まで撤退。日本は国連軍として韓国の支援を開始し、日米英独による連合軍が半島に上陸するという展開。要するに史実の朝鮮戦争の主役をアメリカではなく日本がつとめていたらどうなるのかという話。前巻では釜山までの撤退戦が描かれていましたが、今巻は反撃戦。中国とソビエトの介入をはねのけ、日本はどこまでやれるのかというのが焦点ですが、まあ太平洋戦争をひきわけにできるほど国力と政治力のある日本ですから、中ソどころか米英まで手のひらで踊らせてしまうあたり、現実味はぜんぜんないけれど小説なんだから面白ければオッケー!

朝鮮事変1939 1巻
 上の極東大戦とネタかぶりですが、日本が日露戦争に勝ったものの、朝鮮を併合しなかった世界。日本は大陸に進出しているものの、朝鮮という策源地を持たないため、満州国も成立せず。日本は積極的に軍拡をする理由がないので、海軍は対ソ戦に十分なだけの量で、空母もほとんどなし。そのかわりに陸軍に予算を振り向けているけれど、満州国がなく史実のように狂ったような軍拡をしているわけではないので、史実以下の兵力量。装備が向上しているのかと思ったら、あまり変わらない。唯一違うのは、輸送船による緊急展開/兵站能力が史実より向上してるってところかな。師団規模の海上輸送/補給をホイホイできるぐらいの用意はあるらしい。著者の大村さんはかなり前から架空戦記を書いているけれど、海戦メインで陸戦はなかったと記憶しています。で、今回はじめて陸戦にチャレンジしたのだけど、うーん。あんまり向いてないんじゃないかねえ。政治パートはそこそこなんだけど、陸戦パートがいまいち。基本的に、陸戦は兵士視点でやれば面白くなるけど、泥臭い戦記は大村さんのカラーじゃないからねえ。同時期の極東大戦と比べちゃうし、残念賞だな。

碧濤の海戦 1巻
 滄溟の海戦シリーズの続編。日中紛争は停戦し、英国やオランダとは開戦せず、日本は粛々と南洋諸島に鉄壁の要塞群を建設。そこへアメリカが攻めて来るという話。前シリーズでは、南洋諸島要塞を囮に使ってアメリカ艦隊に打撃を与えたところで終わっていましたが、その続編。開戦からいいところのないアメリカは劣勢をくつがえそうとドゥーリットル空襲を計画するも、日本が中国と停戦しているため、空母を発艦した爆撃隊に日本列島を横断させ、中国領に着陸させる裏技は使えません。そこで次善策として、一応日本の内地扱いである小笠原諸島を空母艦隊で奇襲する作戦をたてるという話。正直、途中まで読んでいてやっと、これが滄溟の海戦の続編だと気づいた。それならそうとどこかに書いておいてくれればいいのに。設定がちょっと特殊なのに、どこにも記述がないから、読んでいてモヤモヤした。気が短い人だと途中で投げるぞ。まあ、それはともかく、内容はいつも通り。日本側は最良の迎撃システムを構築したものの、アメリカの物量と大胆さはそのシステムの上をいきます。しかし、日本側偵察機の献身的な努力でアメリカのアドバンテージをチャラに......と架空戦記のスタンダードですね。ちょっぴり泣かせて、日本が大逆転で勝つ。そんな王道展開。泣かせるところをあっさり終わらせず、もうちょっとドラマチックに盛り上げるとよいのにね。