2011年2月22日

親鸞の告白


親鸞の告白
 親鸞は、統計上は日本人の8割が信者という日本最大の仏教宗派、浄土宗の教祖です。
 今年は親鸞の師匠の法然が生誕800年らしく、そこらへんのお寺さんが記念イベントを計画しているようですが、なんで浄土宗が日本最大になったのかというと、延々勉強して悟らないと成仏できなかったそれまでの仏教の常識を壊して、南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華教と唱えるだけで悪人でもお手軽に成仏できると教えたからです。
 それが良いことなのか悪いことなのかというと、9×9=81を暗記するのがそれほど悪いことなのかという話に似ていて、数学の考え方的には基本がおろそかになるからダメだけど、日常生活的にはそっちのほうが便利だよね的な問題です。我々は9×9の答えを知っているから、それを割り出す手間を忘れていますが、その忘れている部分こそが仏教的には大事。仏教をある程度マスターした人が途中式を簡略化するために使う的な用法の教義です。ですから、浄土宗の念仏だけ学んでいる人は仏教を理解したとはいえないのですが、そんな人でも救ってしまうのが阿弥陀様と教義内で正当化されています。それでいいのかと思うけれど、そこを信じるのが宗教パワー。
 まあ、そんなアバウトで庶民向けの宗教をつくった親鸞の生い立ちや、浄土宗の宗徒としての立場やら、親鸞の弟子がつくった教団の行く末とかの解説本です。著者があの梅原猛さんなので、読みやすいけれど信者の立場で書いており、批判/分析精神があまりないので、読んでいて面白いわけではないのが玉に瑕。
 歎異抄の訳文もついているので、親鸞関係はだいたいつかめる本なのかな。