2011年2月 4日

蒼海の牙


蒼海の牙 1巻
 火薬の量産法が発見されなかった世界。火薬の供給量が世界的に限られているため、世界中の海軍が火薬節約のため、衝角による体当たり戦術に目覚め、戦艦の艦載砲を減らすかわりに衝角を装着。日本はドリル戦艦快天を建造しますが、見た目からして東映の海底軍艦そのものです。作中、なぜドリルが必要なのかとかをマジメに論考していくのが面白いけど、実際に戦ってみると、体当たりするくらい接近するなら、超至近距離から大砲か魚雷を撃ち込んだほうが確実で手早いんじゃないかとは思う。お互いに大砲や魚雷が通じないほど重装甲だったとかなら、説得力があるんだけどねえ。まあ、作者はドリルがやりたかっただけで、何も考えてなかったのだろう。そのへんの考証はガンダム並ですが、小説としてみるなら敵味方のキャラもたっているし、面白い部類。ただし、ライバル艦のギミックが字面だけではいまいちわかりづらいので、挿絵を入れるべきかな。あの表紙をみてこの本を買うような人なら、敵艦のギミックをみても引かないだろうし。

列島大戦 7巻
 いよいよアメリカに対して全面反攻にでた平成日本。しかし、アメリカの損害をかえりみぬ猛攻撃によって思わぬ損害が、という話。なにしろ兵器的にも情報的にも平成日本はアメリカを圧倒しており、普通に考えたら相手にもならないのですが、それでは小説にならないので、日本側に現代人ならではのおごりを生じさせます。しかし、最終巻までこんな感じでいくんだろうか? 現時点で日本最強になってしまっているので、ドイツにそうとうのテコ入れをしないと、ただの消化試合になりそうな気がする。

新東亜大戦 8巻
 開戦時期を5年ほど遅らせて、日米ともに終戦頃の技術力で戦っていたらどうなったのかという話の完結編。以下ネタバレ。日本側は戦術的に手堅く、ミスも出血もせず、敵に出血を強いるいつも通りのパターン。B-32vsジェット震電とかはこの時代ならではで面白い。あと、いつもとはちょっと定石をはずして、マッカーシーの赤狩りをからめ、アメリカ国内の権力闘争から日米講和につながるというオチ。ここらは年代をずらしたから使えたオチだよな。どうせなら30年くらい開戦を遅らせて、ベトナム戦争時代の装備で日米が戦ってみるのも見てみたいが。