2010年2月12日

実装石の呪い


美しき挑発 レンピッカ展 本能に生きた伝説の画家
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_lempicka.html
 このポスターをみていたら翠星石を思い出しました。

 翠星石というのはローゼンメイデンというマンガのキャラで、ちょっとドジで姉さん女房的な性格のキャラです。
 翠星石はその馴染みやすい性格のためか、ファンに愛され、二次創作的に面白い発展をしました。

 この図はソフトの発注時に各部署がそのソフトの要件をどのように理解しがちか、そしてその結果がどうなるのかをわかりやすく書いた図のパロディです。
 要するに、要件定義をおろそかにすると、似ても似つかないものが完成するという例で、その似ても似つかないものが図下段左から2番目の実装された運用「実装石」という名前でキャラ化されています。

 さて、ここからが本題。
 実装石は発注側からも受注側からも望まれていない、できの悪いシステムです。そういう効率の悪いシステムを運用すれば、経費もかかるし、運用側のストレスもたまります。
 だったら、できの悪いシステムはゴミ箱に捨てて、新しいシステムを作ってしまえ、というのが一つの答えでしょう。しかし、新しいシステムを発注する経費を考えると、実際に運用しているシステムを安易にゴミ箱に投げることもできません。
 そのためか、実装石を生み出した「ふたばちゃんねる」という掲示板では、実装石を惨殺したイラストを投稿するという遊びが継続的に行われています。これは心理学的には、認めたくない現実に対する代償行為ということになるのでしょうか。

 ところが細々と続いていたこの遊びがほかのキャラを巻き込んで広がりました。東方Projectにでてくるキャラクターの改変キャラ「ゆっくりしていってね!!!」を惨殺する遊びに発展したのですが、実装石と共通するのはキャラとして不出来に生まれついたところだけです。こうなるとシステム屋の憂さ晴らしではなく、掲示板の住人が不出来なキャラを惨殺する遊びに目覚めたとみたほうがいいでしょう。

 もちろん、それはわら人形に五寸釘をうちこむ的な遊びですから、原初的な呪いとしてみることができます。そうであるなら、彼らは単純にキャラを呪っているわけではなく、不出来に生まれついたキャラを殺すことで誰かを呪っていることになります。
 日本人にとって人を呪うというのは、たいてい自分か近親者を呪うものですから、この場合もそうなのでしょう。そして不出来に生まれついたキャラを惨殺ということなら、対象は自分ということになります。

 不出来に生まれついた自分を呪い殺すために、不出来なキャラの惨殺遊びを投稿する、そして呪っている本人はそのことに気づかない、という構図が現代日本の縮図のひとつなのかもしれません。