2010年2月16日

聖刻1092 聖都 完全版


聖刻1092 聖都 完全版 1-3巻
 ソノラマ文庫で刊行されていた聖刻シリーズ第1部、文庫本6冊分のシリーズを新書サイズ3冊になおしたもの。完全版とあるように、初期の聖刻シリーズの矛盾点を修正し、書き下ろしや外伝を収録するなどあれこれ手をくわえたものです。
 ソノラマ文庫というと、いまでいうラノベのはしりのような文庫で、ガンダムやイデオンなどのアニメをノベライズしたものから、エリアルやクラッシャージョウのようなアニメの原作になった小説、昔は珍しかった和製ファンタジー、スペオペ、菊池秀行のエログロ伝奇小説まで幅広く収録していた文庫ですが、富士見ファンタジア文庫とかが隆盛するにつれて落ち目になり、権利などを朝日新聞に買われて新書版としてよみがえったという経緯があります。
 この聖刻シリーズはいつか完結したらまとめて読もうと思っていたら、完結する前にソノラマ文庫がなくなってしまったといういわくつきのシリーズ。それでもこのたび新書サイズで復刊したので、あとがきをパラパラめくってみたら、新書版で完結編を書き下ろすと書いてあるではないですか。というわけで、まとめ買いをしました。
 以下、聖都編の感想。初期はほんとにTRPGのリプレイをそのままノベライズしたような感じですが、そのおかげで展開がスピーディ。逆に、感情描写はパターンにはまっていて、しかもくどい。そのうえ聖都編も最終盤になると、裏設定をそのまま書き散らしているような別の意味で薄っぺらい描写になります。それが悪いわけではなく、一種の味になっていますが......まあ、誉められないよね。これでも完全版でかなり書き足したそうなのですが、それでもこのレベルでは......と思わないでもない。でも、それ以外の設定やら展開やらは普通に面白いから困る。面白くなかったら投げようと思っていたのに、投げられないじゃないか。
 ちなみにアウトロースターとかリューナイトとかは聖刻シリーズの設定を流用した作品だそうです。そういえば似てるな、いろいろと。